2013年3月20日水曜日

「会社人生は「評判」で決まる」 相原 孝夫


会社人生においての成否は、その人の評価ではなく評判で決まるので、その評判をマネジメントすることが重要なのだというのが本書の結論です。

評判のよい人と評判の悪い人の代表例を3つ挙げています。


評判のよい人の代表例
1.他者への十分な配慮ができる人
 相手を尊敬して接する。また、相手の立場に立って難しいことをわかりやすく説明しようとする。
2.実行力のある人
根回しなどの細かい点についても労を厭わず、また、結果だけではなくそのプロセスも重視する。
3.本質的な役割を果たせる人
例えばいわゆる「ダメ上司」の下の立場となっても、そのダメ上司を「ダメ」にするのではなく、自分の立場を十分に理解してでうまく使える。

評判の悪い人の代表例
1.自分本位なナルシスト
他人とうまく協力していくことができないタイプで、部下に考えさせて育てる意識が少ない。成果に対しても「俺が俺が」と独占しようとし、周りとの折り合いをうまくつけられないタイプ。
2.評論家
無責任に評論するが責任はとらず、また、会社や上層部を平気で非難するタイプ。
3.自分の立場や役割を理解していない「分不相応な人」
会議の場では、自分がいかに優秀かをアピールしたり、また、外部の人との接し方が高圧的だったりする組織内で微妙な立場の人(担当副部長や、部下なし課長などが典型)。


 この本での「社内での評判をよくすること」は、「周囲と仲良く明るくできること」とも言い換えられるでしょう。「媚びる」必要なありませんが「気を利かせる」あるいは「気遣いができる」ことがそのための必須の要素です。もちろん気を利かせる対象は上司に対してではなく同僚や部下に対してであることは言うまでもありません。



個々人の専門的な能力も大切な要素ですが、例えばここで示されるように会社という組織では、その組織内でうまく振る舞うことも大切です。チームスポーツで個人の能力が優れているだけでは勝負に勝てないのと同じです。
見方を変えれば、チームスポーツから個人スポーツへに変えれば、個人の能力への依存度が大きくなります。個人の能力が卓越していれば会社人生を捨てるという生き方もあるでしょう。しかし、大半の人はスゴイ人ではないので、組織の中で生きていくのが合理的な選択であると感じます。

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