2013年1月25日金曜日

「翻訳者はウソをつく!」 福光 潤

翻訳にまつわる「小ネタ(=豆知識、トリビア)」で構成されているのが本書です。

面白いとおもったのは「翻訳スタイル」について記述されている部分です。
スタイルとして以下が挙げられています。
「逐語訳、直訳、意訳、改訳・新訳、翻案、豪傑訳、超訳、抄訳・完訳、ローカライゼーション」。
「豪傑訳」は、翻案(ストーリー展開を借りて、人物や場面を日本らしいものに置き換えた改作)をさらに「改ざん」に近く変更した、明治期に見られたスタイルだそうです。翻案までは訳としてよいとしても、これほどすごい時代があったのですね(まさにトリビア)。
一方で「超訳」は翻訳を超えた訳で、「アカデミー出版」の登録商標らしいです。意訳と翻案の合体のイメージでしょうか。最近、哲学書で「超訳…」な本を見かけますが、同じカテゴリーなのか確認してません。

「ウソをつかれて」いるわけでもないですが、日本で呼ばれている映画や小説のタイトルがそのまま結びつかない場合があるので、洋物についてネイティブと話題をともにする際には、原題と邦題のギャップを知っておく必要がありそうです。最近、「Jerry Maguire」という映画についての話題が出たのですが、まったく心当たりがありませんでした。調べてみると邦題は「ザ・エージェント」だったのですね(知らなかった…)。
洋画の場合に、原題をみて邦題をみて、そのギャップから翻訳者(あるいは映画配給会社の担当者)の発想に思いをめぐらすのも楽しいかもしれません。



*残念ながら新品では入手できない(絶版)ようです。

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