2012年12月9日日曜日

本:アメリカのビジネスマンの闘い方

 雇われの身のサラリーマンであれば、当然、職場でのさまざまな軋轢やストレスは避けられないと思います。部下が上司に対して不満を持つのが最も一般的な事例でしょうが、同時に上司が部下に対してストレスを感じることもあるでしょう。さらに、いわゆる「中間管理職」の人たちは、上司からのプレッシャーに加えて部下からの突き上げにあう立場であり、大変だと思います。

  そうした環境は日本だけでなく、アメリカでも似ており、言ってみれば「戦場」である職場でいかに「負傷せずに」あるいは「致命傷を負うことなく」生き残るかに関して、この本は一つの道筋を示しています。本書のよいところは、職場で遭遇するであろういろいろな悩みに対して、比較的実際的なアドバイスを記述している点です。また、それらアドバイスが他書の引用に基づく場合、その引用元が書いてあるので、職場の悩みに対するノウハウ本の「総説」としても活用できる点にこの本の良さがあります。ただし、「第9章ITで武装する法」の記述の古さは否めませんが(本書は2001年の出版)、それでも、その他の内容に関しては、今読んでも十分に適用できます。現実に職場で困った際にこの本の該当する章をみれば問題解決への一助になるでしょう。

  「第4章 管理職のサバイバル法」では、管理職は部下をコントロールすることだけではうまくいかず、部下がレーサーならば、管理者はピットクルーであると例えられています。支援を惜しまず、ゴールを示し、ガソリンを補給する(=部下に十分な情報を与える)ことがピットクルーに必要であると述べています。また、「ゴールに到達したらトロフィーを与えているか?」と述べられており、例えばプロジェクトが終わったら休暇、昇給などの何らかの報償を与えたり、あるいは直接褒めることの重要性を述べています。子供がささいなことをうまくできて褒められるがごとく、大人であっても褒められることを望んでいるといったことが他の本でも書いてあったと記憶しています。確かに、以前、やたらと褒める上司と仕事をした時期があり、気分良く仕事を進めることができた経験があります。たいていは「おお、いいじゃない~」(音で伝えられないのでニュアンスが表現できませんが)といった軽いノリでしたが、大人になるに従い、直接的に褒められることが少なくなるので、言葉で褒められることのありがたみや効果は大きいのかもしれません。




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