2012年12月15日土曜日

「怒る技術」 安藤 俊介


 ビジネスマン、特に管理的な立場の人に役立つ、怒りを感じた時の対処やどのようにして怒りを「伝えるか」についての内容です。怒りの感情を消し去るのではなく、例えばその怒りの対象から遠ざかることも対処の一つとして挙げられています(電車のなかでマナーの悪い人に遭遇して腹を立てた場合に、その人に注意するのではなく、乗っている車両を変えて対処するなど)。
 やはり有効なのは、怒りの感情を「可視化」「具体化」「定量化」してみる技術で、感じた怒りをスコア化して記録しておくという技術は実際的だと思いました。人間、生きている限りは大なり小なり「怒る」ことはあるので、それとうまく付き合う具体策をいくつか示している点で有用な本であると思います。
昔の学校教育であれば、「むやみに怒らず、みんなと仲良くしましょう」と教えていたのでしょうが、最近はどうなのでしょうか。よほど悟りの境地に至っている人でもなければ怒りゼロは現実的でないので、日々生じるであろう「怒り」をコントロールする技術を学校で教育することも必要かもしれません。アメリカプロフットボール(NFL)のルーキー選手に怒りのコントロール教育をしているという話が盛り込まれていたのは興味深かったです。
感情のコントロールという点では、自分の感情を客観的にモニターすることが大切だと思います。


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