2013年4月6日土曜日

「認められる力」 太田 肇

本書の副題として「会社で成功する理論と実践」とあるように、会社のなかでビジネスマンとして成功するためのヒントが、「承認」の観点から書かれています。


承認の種類を以下のように分類しています。
「表の承認」
優れた業績を称えるとか、個性を尊重するといった認め方。加点評価に近い。
「裏の承認」
和を乱さず秩序や序列を守っているか、分をわきまえているかどうかを問題にする認め方。減点評価に近い。
表および裏の承認という観点から、人事部がなぜ「無難な」人事採用しかできないのか、また、会社の管理職が思い切ったことができないのか(=リスクをとりにいかないのか)を考察しています。

また、「表の承認」を以下のように分類しています。

「日常の承認」
日常の仕事や生活のなかでの仕事ぶり、態度、個性などをほめられたり認められたりすること。
「キャリアの承認」
出世や名誉など長期的に得られる承認のこと。

日本的な職場でよく見られる、仕事が終わっても周りの空気から帰りにくいという状況は、周囲の目を気にする故の「日常の承認」に関係しているのでしょう。


客室乗務員がモチベーションが高く、なぜ輝いているのか、その理由は「日常の承認」と「キャリアの承認」がともに高いからという考察はその通りだと思います。ただ、客室乗務員がその後にタレント等に転身する可能性があるという点から、キャリアの承認に関しては、「その期待度が高い」というのが適切だと私は感じます。

東京ディズニーランドのアルバイトも「キャリアの承認」は低いでしょうが、「日常の承認」が高いからこそ、モチベーション高く働けているのだと想像します。

世間で言うところの「裏世界」の仕事でお金がすごく稼いでもでも充実感がない理由は、「その仕事が世間から認められないからだ」ということをどこかで読んだ記憶があります。仕事をして、その結果を否定されるよりかは、褒められたいし認められたいのが人間として自然でしょう。また、認める立場であれば、認めたことが相手にはっきりとわかるようにしてあげることが必要だと思います。

専門的な知識を除けば、組織のなかで認められるためには、やはり情緒的な能力(平たく言えば、いかに気が利くか、気をまわせるか)が高い必要があるでしょう(月並みな結論ですが。)本書の後半の【実践編】では、具体的な認められるためのヒントが書かれています。


アマゾンではkindle版しか入手できないようです。

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