2013年4月27日土曜日

「人は上司になるとバカになる」菊原 智明


この本では「困った上司」に対して、具体的にどう対処したらよいのかを紹介しています。優れている点は、極めて具体的な例に対して、具体的かつ実際的な対処を、項目立てしているところです。

例として、
自分のミスは部下のせい、部下の手柄は自分のものにする上司

の項目では、
具体的な事例のを示した後で、【こんな上司についたなら……】として、
「目の前に、まさに失敗の事例があるんだ。勉強になるなあ」と考える
という対策が示されています。 自分が将来そうならないように、いわゆる「反面教師」として役立てるということです。根本的な解決ではないですが、この考え方は応用のきく手だと思います。

また、「俺の手柄だと吹聴してまわる上司」への対策としては、
上司のさらに上役に「今回は上司に手伝っていただいたことで、大変うまくいきました」、と先回りして報告しておく
といった「作戦」が紹介されています。
このように自分の成果をきちんとアピールするのは大切ですが、ただ、こういう「手柄横取り」の場合には、案外周りは本当は誰の手柄かがわかっている場合が多いのではないでしょうか。「最後に正義が勝つ」とも言われていますし。

他にも困った例が紹介されていますが、会社生活が長ければ対策がわかってくる事例もあります。(例えば「細かすぎる上司」の例など)。
そういう意味では、特に会社生活の短い方々には、実用的で具体的な「困った上司」対応マニュアルではないかと思います。


長年の経験から得られることを、読書が提供してくれるということです。従来であれば、メンターとなる人が職場にいたのでしょうが、世知辛い世の中となった今では本に頼るしかないのでしょうか。

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