2013年8月25日日曜日

”Quiet” -Susan Cain- (その3)

キンドルペーパーバックである標記本の、その2の続きです。

人種文化の違いが、外向性、内向性の違いを生み出している典型的な例として、中国人(アジア系)とアメリカ人(欧米系)の比較で考察しています。予想通り、アジア系では自分の意見を主張せず、しゃべりまくったりしないことが「美徳」とされている一方で、欧米系では、全く逆で外向的な態度が評価されることを取り上げています(かなりのステレオタイプな見方に基づいている気もしますが)。文化的な違いの理由として、一つには儒教の影響、もう一つにはグループアイデンティティによると考察しています。個人的には、世代間での違いも大きいと思います。外向的で物怖じしない若者が増えてきたことは、日本も随分と欧米化されてきたことが影響しているのでしょうか。

「外向性」であることがよいとされることが多いのですが、内向性であっても「外向性」を演じることでその恩恵をうけることが可能であると述べています。外向的に見えても実は、そのフリをしている人がそこそこいると言っています。従って、ビジネスの局面では、あえて外向的に振る舞うことでリーダーシップをとることも可能でしょう。

最後に教育や育児の際に、内向的な子供に対する接し方が述べられています。現在の「学校」のしくみが内向的な子供に対しては合っていないことが指摘されています。内向的な子供にとってはみんなの前で発表したり、自分の意見をグループで述べることが苦手でも、それを無理に強制しようとすることはよくないようです。それでも、ある年齢に達したら外向的に振る舞う術を「教育」することが、世渡りの技術として教育されてもよいかと個人的には感じます。


「外向的で活発であること」がよいとみられる一般的な見方に対して、「内向的で物静かであってもよい点が多くある」ことを、多くの研究結果から示している内容であるとまとめることができるでしょう。

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