2014年9月14日日曜日

「サラリーマンだけが知らない好きなことだけして食っていくための29の方法」立花岳志

サラリーマンだけがとは、一概には言えない点もあるかと思うのだが、会社勤めから離れて自由に生きるためのポイントみたいなものを紹介している本だ。

サラリーマンとして働くのではなく自由に働くのを目指すのもわかるし、いつかは独立するのならば会社のなかで空気を読める必要がないという主張もわかる。しかし、大半の人間は会社からはみ出して自立するほどの能力がないと個人的には考えている。「人間努力すれば必ず報われる」とか、「人間は生まれながらに平等」であるというのは嘘っぱちであることくらい、二十歳を超えたオトナならば誰でも知っているはずだ。無理に周囲に迎合する必要はないが、「空気を読む」ことはフツーの人々にとっては大切な技術であると言いたい。

この本にも書かれていることに従えば、すべてのヒトが独立してうまくか?そうとは限らないだろう。それは本人の努力であり、才能であり、あるいは運や時代の流れの要素も大きいあろう。
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本書では29項目が紹介されている。

「14 仕事帰りの飲み会は「あとに続くものか」を考える」では、
飲み会を「投資的飲み会」「消費的飲み会」「浪費的飲み会」の3つに分類し、「浪費的飲み会」はやめるべきで、飲み会のあとにも続くような「投資的飲み会」で新たなネットワークを築くことが大切だと述べている。


「26 すばらしい出会いをとことん楽しむ」では、
投資的な飲み会でできるネットワークは、人脈作りというよりは、パートナーシップであり、そのパートナーもメンター、同志、サポーターの3つでそれぞれが重要だと述べている。他の本でもよく出てくるが、「メンター」の存在は重要であろう。なるべき自分をイメージするのは難しいが、そのイメージに近いひとをメンターとすると具現化しやすいからである。
その師匠のイメージに近づくために「TTP」を勧めている。本書から引用すると以下のようである。
憧れる人のライフスタイルを自分のライフスタイルに採り入れて、TTP(徹底的にパクる)をしてみるのです。
ようするに、その理想とするヒトになりきるくらいの真似(パクリ)をしてみようというわけだ。目に見えない考え方の部分を真似るために、ライフスタイルを真似るのは意外と効果的だと思う。


「23 人生を楽しみ続けるために、慣れを捨てる」では、
現在のコンフォートゾーンから抜け出して、理想のコンフォートゾーンを設定してそこに向かえといっている。例えば、貧乏から金持ちになれないのは、貧乏であることが「快適」であるためで、そこを抜け出すためには金持ちの状態を新たなコンフォートゾーンに設定する必要があるというのである。そのためには、例えば、安い居酒屋に行かずに、高級レストランに行き、「本来、自分はこういった高級店が似合っているのだ」という、一種の刷り込みが有効だとしている。他にも、きちんとした身なりをすることも高い位置へコンフォートゾーンを設定するためには有効であろう。外見や生活様式といった表面上のことをランクアップするだけで、潜在意識への刷り込みが起こるのではないかと思うからである。


「21 やりたいことがあるなら、やらないことも決めなさい」では、
一日は24時間しかなく、1時間にできることはかなり限られているので、何か新しいことを始めたいならば、何かやめることを一つ決めるしかないと述べている。上述の「浪費的飲み会を減らせ」も時間を生み出すための一つだろう。「やらないことを決める重要性」に関しては、以前に紹介した「悩める人の戦略的人生論」でも触れられている。
しかし、もしもお金があれば、いま自分でやっていることの一部をアウトソーシングすることも可能である。つまり、お金さえあれば、ある程度は「時間を買う」こともできるのであり、やりたいことを増やすことが容易となるだろう。お金があれば必ず幸せになれるわけではないが、お金があればそれと引き換えにできるモノは大きい。


フリーランス指向でなくとも、使える本といえる。

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