2016年9月19日月曜日

「きみに努力はいらない」桜井章一

「雀鬼」と呼ばれるほどの人でありながら人間性を大切にするというのは不思議な気もするのだが、逆に、基本的な人間性が備わっていたからこそ、勝負強さを発揮できたのかもしれない。先天的な要因が大きいと思われるが、「流れ」を読むという点では卓越した能力を備えていることが想像できる。そうした能力がなくても、基本的な心構えは参考になると思う。

・成功と成長の違い
成功とか出世とかいう部分は、成長とは違い「脂肪」のようなものなので多すぎると調子がわるくなると表現している。これは「足るを知る」ことにつながっている。
さらに足ることを知ること、それがどの程度なのかを決めておくことで、余裕が生まれるといっている。少欲知足ということだ。

・流れを読む重要性
また、流れのなかで生きていくことが大切だと説いている。わかりやすい流れではスポーツの場面があるが、長期的にみると生きていく上では数年単位の「流れ」もあるだろう。他の本でも、人生のある局面では「流れ」に逆らうことなく(良い意味で)流されることも必要だといわれていた。

・努力について
努力と押しつけられた時点でダメなのであって、いちいち努力しなくても本当にすきなことややりたいことであれば努力はいらない、この脈絡において「努力はいらない」といっている。確かにゲームに熱中している人に対して「努力」はないだろう。本当に打ち込めるならば、それは「努力」という概念ではない。少なくともいやなことを「努力」で克服することに無理があり、「努力すればなんとかなる」という幻想に気づくべきだろう。

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