2015年2月1日日曜日

「世界最強の商人」 オグ・マンディーノ

原著は1968年に出版された、いわゆる自己啓発本の一種である。もっといえば、セールスマンとしての成功ノウハウ本の一種ともいえるだろう。

単なるマニュアル本ではなく、ものを売るための秘訣が巻物10巻に書いてあり、それに従っていくという物語的な体裁をとっている。「ユダヤ人大富豪の教え」と似てるかもと思ったが、時系列でみるとこちらの出版が早いのはいうまでもない。

各巻には、それぞれの教えと説明がある。

第6巻では、「今日、私は自分の感情の主人になる」で、感情のコントロールの重要性を説いている。感情の支配に関して、
弱者とは、自分の感情が行動を支配するのを許す人のことである。
強者とは、自分の行動によって感情を支配する人のことである。
といっている(p.130)。例え大人であっても、自分の感情によって行動が大きく影響されるヒトを見かけるのは実はそれほど珍しくはない。まるで、子供のように。そうならないためには、常に自分の感情の様子を客観的に見ることが必要だろう。


第7巻では、「私は世間を笑おう」といっているが、これはそのままでは誤解を招くかもしれない。要はいつも笑っていればよい影響があるということだ。(マック赤坂氏のイメージか。)でも、笑いを保てない困難な状況に遭遇することもあるだろう。そうした状況に対しては「これもまた過ぎ去っていく」と言い聞かせようといっている。「感情の主人になる」に通じるところがあると思う。




物語として、キリスト生誕前後のころの設定としている。そういった背景からもキリスト教の多い欧米ではこの本がさらに受け入れやすかった素地があったかもしれない。また、50年近く前の状況を考えると、それほど出版物があふれていたわけではなく、ましてやネットもなかった時代であったので、この本が爆発的なヒットとなったのかもしれない。
ほぼ、これまでに読んだ類似の啓発本と近いことが多いと感じた。この本から影響を受けているのかもしれないし、あるいは、成功に関しての原理原則はそう変わるものではない証であるかもしれない。

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