2016年4月16日土曜日

「あなたがデキる人か否かを決めるのは、人事部です」三冨圭

 架空の会社の人事部の活動(?)を描いた体裁であるが、その実体は著者の外資系企業での人事での勤務経験に基づいたことであろうことは容易に想像できる。

ほかの本でも似たようなことが言われているが、確実に出世するための法則が書かれている(p.61)。その条件は、
条件1 あなたを出世させることのできる人間が存在する。
条件2 あなたを出世させることによって、その人間に都合のいいことが起こる。
 条件1は、いわゆる「引き」、すなわちだれか引っぱり上げてくれる人間が必要だということだろう。逆に「引き」がなければダメだということだ。


 人事の定期面談で「あなたは毎日の自分の仕事に、自己評価で何点ぐらいをつけますか?」と聞かれたら要注意だという(p.136)。なぜなら、その時点で「仕事ぶりに問題がある」と直属のマネージャーに思われていることを意味するかららしい。外資系だと仕事のパフォーマンスを厳しく管理するからだろうともとれる。しかし、ここのところの日本企業でも世知辛くなり、人材派遣会社と結託して「ローパー社員」を切り捨てようとし話題になった(朝日新聞の記事)。

 出世したほうがよいのか?ここのところ「ライフワークバランス」なんてことも言われているし、勤め人生活だけがすべてではないだろう。かといって、経済的な成長が鈍化した今では、窓際族も絶滅への道をたどっている気がする。

実力があれば、自分のあう環境へと移動していけばよいが、どこへいっても「どういう尺度で評価されるのか?」という点に気をつけないと評価が低いままとなる危険性がある。
人事部は従業員のために働いている一面もあるが、やはり、人事部に隙をみせてはならないし、むこうも表面的には「親身」かもしれないが、単につけ入る隙をみせていないということか。

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