2016年1月3日日曜日

「物欲なき世界」菅付雅信

モノを買わなくなった傾向はなせ生じたか、ではお金とは何なのかといった疑問に対して、さまざまな著作を元にその理由を考察している。また、同時にその鍵を解くための関係者に対するインタビュー(直接あるいはメールベースの)取材もされている。構成としては、一種のポータルサイト的であり、この本からさらに詳しく知りたければ元の引用の各著作にたどって行くのがよいだろう。「総説」あるいは「レビュー」と言ったほうがわかりやすいかもしれない。

大量生産・大量消費に支えられていた資本主義もそろそろ成熟を迎えているのではないか、という点は誰しも感じる点だろう。本書でも述べられてるように、人間の歴史からみるとここ数十年の経済的発展の傾向が「特異的」という見方は的をえている。お金とモノそして幸福とは何かを考える参考となるだろう。某クルマのCMの「モノより思い出」というコピーは、よくできていると思う。クルマはものであるが、それはあくまでも「思い出」をつくるための手段の一つだからだ。

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