副題(-医者も結婚も辞めてアマゾンで暮らす-)とあるように、医者を辞めてアマゾンに移り住んだ点が、よくある海外移住(というか逃避)ものとは異なっています。
当初、アマゾンに来てお金もなく、食べるのにも困り、強盗の気持ちがよくわかったとか。熱帯であれば、食には困らないという思い込みが私にはありましたが、意外でした。あるいは、住んでいたのが都市部だったからなのかもしれません。
「お金があるうちに必要なものを買ってしまえ、食べ物がなくなったらその時に考えよう」という、現地の考えはラテン的と言えるでしょう。一方で、ブラジルの場合にはインフレという要素も大きいと思われます。現金の価値がだんだん目減りするのがわかってれば、今、現物にするのは理にかなっています。
現地の人間関係や現地人の考え方への苦労もつづられています。一言で言うと、「お前のは俺のもの、俺のものは俺のもの」と表現できるのではないでしょうか。
日本の生活がいやになって、抜け出したかったのであれば、ブラジルのアマゾンでなくても、東南アジアあたりでよさそうなところが多くありそうです。自宅で夜に強盗に襲われないように見回りが必要だなんて、それって相当「住みにくい」のではないかと感じました。ま、どこに住むかはその人の勝手ですが。
著者は酒好きのようなので、その地を選んだ理由として「お酒」も重要な要素だったかもしれないです。
もはや絶版です。私は図書館で借りました。
1996年初版です。今であれば、ブログで書かれるような内容でしょうね。この後数冊の本が出版されているようですが、最近の著者の消息は、ちょっとネットで検索した限りでは不明です。アマゾンでご健在であるとよいですが…
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