著者は、事業家の家に生まれるも、それをうまく継承できず、借金をしてさまざまな事業に手を出しますがついにはホームレスにまでなりました。で、そこから総合リサイクルショップを立ち上げた経歴を持ちます。
■商売人というだけあって、お金に関係したことが多く語られています。「お金を借りる必要もないのにあえて借金してつながりを作っておく」、「お金は使って初めて意味をなすものだ」などです。
また、お金を使う時に、「それが投資なのか浪費なのかをちゃんとわかっていることが必要」と押さえている点はさすがだと感じました。浪費だけでは事業の発展性はないからです。
■「欲望」については肯定的な見方をしています。
未来には大きな可能性があるのではなく、欲望や願望があるだけだ
「際限のない欲望」を持つからこそ、人は人生に挑戦できるのだ
欲望がなくなったときは、人生が終わるときだから、もし事業を起こすとしても最初の段階では、目標を社会への貢献とかいった、他から押し付けられたような動機ではなく、自分の望み(欲望)を実現させるためにがんばるのがよい(例えば、車や家を持つ)といっています。
一口に欲望といっても物質的なものだけではなく、精神的な欲望も含まれるでしょう。
■偶然にも、この前のエントリー(「優しくされる技術」)でも「他人からうまい具合に助けられる必要性」がでていましたが、ここでも似たことが述べられています。
人生で成功する人は、「能力のある人」ではなくて、人に「こいつ、助けてやりたいな」と思わせる人であり、そして、援護者が現れるためには、限界まで力を出し切る、使い切ることが必要だといってます。がむしゃらにがんばれば、手助けする人間が現れるということでしょうね。
■成功の程度の評価については、
成功とは、自分のやったことが、どれくらい人に影響を与えているかで測るものと定義しています。この定義では、単なる物質的なことだけが成功ではないと言えるでしょう。最終的には、人それぞれで「成功」の定義は違ってきて当然だと思います。
また、成功の方程式については、
「(知識+技術)×意欲=実績」だから、意欲が十分であれば実績を大きくできるといっています。ただ、「意欲」の重要性は理解できますが、それは成功に至るための「最低限の要素」なのではないかと私は思います。「意欲」というか、目的に向かうための強固な「意志」といったほうがよいかもしれません。
「過去は変えられないが、過去の意味づけは変える事ができる」と聞いたことがあります。事業の失敗やホームレス生活の人生のどん底の過去は変わりませんが、いまや成功した事業者として過去をみられるからこそ、成功までの道筋のサクセスストーリーとして語られるわけです。
これまでの成功体験がそのまま適用できるとは限らないので、この手の「成功本」の内容は、自分でよく咀嚼してみる必要があるでしょう。「成功方程式」とは、あくまでも過去の「成功」を説明するための「式」であり、将来の成功に向かって適用できる保証はありません。それでも、こうした「成功経験」を語った本から学べることが多いのも事実です。
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