2013年11月23日土曜日

「オーパ!」開高健

作家開高健のアマゾン釣り紀行です。
初めの版が出たのはもう30年ほど前です。地域の図書館の検索システムでみたら、2010年にも新たに出版されていたようなので、この新しい版を借りて読みました。実は「直筆原稿版」とあるように、原稿用紙に書かれたそのものが書籍となっており、推敲の跡をみることもできます。「本」ではありますが、原稿用紙に書かれたものを読むのは、作家の息遣いが感じられます。

アマゾンから帰国の途中でブラジリアに立ち寄り、そこでブラジルの首都移転の歴史や経済状況などについて同行者と会話する場面は、著者の考えを垣間見ることができ興味深いです。ブラジルが莫大な借金をして、何もないところに数年間でブラジリアを作り上げたことについて、「男は借金がないと眠り込んでしまう」とか、「昔から男は自尊心で苦しむようになってるんだよ」という言葉は含蓄があります。

この直筆原稿版と、現行本では、著者の加筆修正による違いがあるらしいので、そこを比べて読むのも面白いかもしれません。

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