2013年2月2日土曜日

「10年後に食える仕事食えない仕事」 渡邉正裕

これからの世界はボーダーレス化し、現状に安住していては重力の世界で引っ張られる。端的にいうと、自分の仕事が単純に他に置き換え可能であれば、将来「おまんま食い上げ」の可能性が大きく、だからこそ重力の世界から抜け出していかなければいけないと述べています。

著者は、職業を以下の4つに分類しています。

1. 重力の世界
「販売する商品は汎用品であり、提供する単価は安い。グローバル化とIT化の影響をモロに受け、重力の法則に従うかのように、グローバルの最低水準価格まで下がっていく。」

2. グローカル
「日本人メリットを生かしつつ、ホワイトカラーとして高付加価値なスキルを身につけて外国人労働者からの高い参入障壁を築けるエリア。」

3 ジャパンプレミアム
「日本人メリットを生かせる技能集約的な職業。」

4. 無国籍ジャングル
「日本人であるメリットはなく、完全実力主義の世界。」

興味深いのは、誰もが「無国籍ジャングル」で戦えと言っているのではなく、日本人としての仕事のなかには「日本人しかできない」職種(「ジャパンプレミアム」)や、日本人としての有利な点を生かした「グローカル」な職種があると考察している点です。自分の才能に自信があるならば「無国籍ジャングル」の世界で勝負して生き残れるでしょうが、そういう人は一握りでしょう。
世界がフラットとなり、道具としての英語が必要になる流れは変わりません。しかし、英語ネイティブでなくても、「日本人」として生まれ、日本で教育を受けてきたのであれば、そのメリットを最大限に生かす選択肢もあるのではないでしょうか。

無国籍ジャングルの世界で戦って生き残ることを「目指す」のはよいですが、自分の能力と現実を見据えることも重要でしょう。




「食える仕事」とは、「ナンバーワンでなくてもオンリーワン」にも通じるものがありますね。

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