モノを減らすことを考えるとき、モノが増えることを考える必要があるだろう。そこに関係する物欲についてこう書いている。
欲しいモノが多くて困るという人は、「欲しい気持ち」に理由があることを知ってください。なぜそれが欲しいのか?本当に欲しいのか?自分に問いかけてみましょう。[p.36]「なぜブランド品が欲しいのか?」の答えは、ブランドの所有が自己の価値を向上させるという認識に基づいている場合もあるのではないか?収入が低いのに高級車を乗り回す心理とも似ているだろう。つまり、所有品の価値を自分の価値とみてしまう心理だ。
モノの購入基準として、単に安いからという理由ではなく、
モノを購入する際には、自分の耐用年数(寿命や求めている使用期間)で選択をしています。[p.46]という基準を示しており、後のほうでも、「だから高くてもよいものを買って長く使う」と述べている。
倹約を実践のためのスタイルを、「清貧」ではなく「清富」生活と呼んでいる。(同様に節約と倹約を区別している)。そのなかで、
買ったほうが安くて美味しいものはつくらない。[p.104]といい、具体的には揚げ物など手間を考えると自宅でつくるよりかは買ったほうがよいと述べている。それぞれのヒトの考え方によるが、無駄なこだわりは捨てたほうがよいということか。
お金持ちに学ぶ「倹約生活」のルールの章で、「運」について言及されている。
ここぞという時に運を使えるように、運のムダづかいは避けることをおすすめします。[p.173]とあり、金持ちはめったにパチンコをせず、そんなところで運を使いたくないからということらしい。
運の出し入れに関しては、麻雀の本にも書いてあった気がする。すなわち、「点棒のやり取り」だけではなく、そこに見えない運のやりとりがあるのだと。
人により運がよかったり悪かったりということがあることは間違いない。ただ、運に任せる際には「運の消費」に留意したほうがよいだろう。「運」については最初のほうでも、
「節約」を始めて最初に気づいたのが、運は隙間がないと導かれないということでした。[p.20]と、「運を呼び込むことの大事さ」にふれている。
「運」を科学的に説明できるのかといわれると全く自信がないのだが、その大切さは、この本に限らず、あちこちで取り上げられている。
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