強みの類型として「タレント」か「プロデューサー」かの2つを挙げています。この分類は、その人の強みの性質としてわかりやすいものです。「タレント」が「はまる人」で、「プロデューサー」が「はめる人」までは、理解しやすいのですが、「はもる人」はあまりピンと来ませんでした。一般的な、同質のものと「はもる」ことのほかに、異質のものと「はもる」必要性を説いているのはおもしろいですが、一言でいうと「まわりとうまいことやれ」でしょうか。
企業における通常業務に合わせた9つの役割タイプを示し、どのタイプにに自分が入るのか、どのタイプを目指すのかを明らかにするのがよいと述べています。この役割タイプ分けは、おおざっぱに言って「稼ぐ人」[安い人」「余る人」の分類(著者の以前の本で述べていること)の類型化を思い出します。(もっと細かい分類は以前のエントリーでの本でふれています。)
「私の履歴書」をつくって、自分の強みを探しだすことを勧めています。また、自己の過去を振り返ることで、埋もれていた強みを見つける可能性があることをアドバイスしています。
「自分の強みを見つけ、それで勝負しろ」という主張はよくわかるし、その強みをみつける方法は丁寧に紹介されていますが、それで自分の強みがなかったらどうなるんでしょうか。まあ、その時で考え方を変えればよいのでしょうね。少なくとも「タレント的な強み」を持っている人が、「プロデューサーとしての能力」が求められる場面では、よさを発揮できるとは限らないし、逆も然りということだと思います。「名選手が必ずしも名監督ではない」という言葉と同じです。
何となく書いてある内容がスッと入ってこないのは、やはり、著者が元外務省キャリアというすごい人だからなのでしょうか。
*絶版です。
余談ですが、この本で書いているのと違う意味で「はめる人」が世間にはいるので、世渡りする上では、そんな人に対しては注意が必要です。
0 件のコメント:
コメントを投稿