お金の管理法として、収入・支出を追いかけるだけではなく、資産として年に2回程度の集計を行えばよく、そのやり方としては「財産増減一括表」を作成することを推奨している。要は、企業が行っているような「賃借対照表」の家計版を作るということだ。これにより正味財産があるのか、あるいは債務超過で収入が途絶えたら直ちにマズい状況に陥るのかがわかるというものである。おそらくは、ローンを抱えてる家計では、資産の現状把握の一助となるだろう(逆にいえば無借金であれば管理はさらにシンプルだろうが)。
「老後不安と投資を切り離せ」(第4章)では、お金の運用についての具体的な方法が記述されている。株式投資がよくわからないのであれば投資信託へといっているが、投信の手数料についてはあまり触れられていないのが気になった。投信の場合、その種類によっては運用手数料が数%であり、運用益が十分でなければ保有しているだけで目減りが避けられない。したがって、投信にしても手数料の安いところでないと株と同様にリスクがあることを認識しておく必要があるだろう。
お金がないと困るが、あくまでもそれが目的ではなく、手段であることは、お金の議論では必ず出てくる点である。先行きのことを考えると不安にはなるが、できる限りの準備を進めて「その時はその時」の開き直りも必要なのではないかと思う。日本では、最後の手段は、セーフティーネットとして生活保護があると思うしかないと言ってたのは「ちきりん」さんだったような記憶がある。
今日がなければ明日はないの精神で目の前のことに集中するのが吉でしょうか。